お世話になります、福間です。
インドの古いお話に、お釈迦様の前世をテーマにした物語があります。
その中のひとつ、「ハトとタカ」をご紹介いたします。
昔々、ある国に、シビ王(お釈迦様の前身)がいました。
ある日、一匹のハトが飛んできて「王様、私は今タカに追われています。どうか、かくまってくれませんか」と王様に訴えました。
王は傷ついたハトを見て、不憫に思い、かくまってあげました。
しばらくすると、タカがやってきて「王様、ハトを私に返してください」と言います。
王は「ハトを返せば、お前はハトを殺し、食ってしまうだろう。お前にハトを返すことは出来ない」
すると、タカは「王様、私は何日も何も食べていません。あなたがハトを返してくれないなら、私は死んでしまいます」
確かに、タカは痩せこけていて、今にも倒れそうです。
ハトを渡せばハトは殺される。
渡さなければタカは死んでしまう。
しばらく考えた王は、タカにこう提案しました。
「ならば、あのハトと同じ量だけ私の肉を食べなさい」
そして、一つの天秤にハトを乗せ、もう一つの天秤には、自分の太ももから『ハトと同じだけの肉』を切り落とし置きました。
しかし、不思議なことに、天秤はハトの側に傾いたまま、ピクリとも動きません。
王は、さらに自分の肉を追加しましたが、天秤は動きません。
とうとう、王様自身が体全体で、天秤の上に乗りました。
すると、天秤は動き出しハトと王は『全く同じ重さ』としてつりあったのです。
命の重さは、小さい生き物だから軽く、大きい生き物だから重いわけでも人間以外の命だからといって軽んじるものでもありません。
自分は昔、ワンちゃんを飼っていましたが、正直満足な面倒も見ず、やがて上京し、祖母から死んだことを聞かされました……。本当に後悔しています。
彼に(オスのワンちゃんです)自分は沢山教えて貰って、ただただ、感謝の涙だけです。
今年も、もうすぐ終戦記念日を迎えますが、戦争中、兵隊さんは食料が絶えると食べられるものは何でも食べて命をつないだといわれています。
ただし、『斬り込み』(敵の飛行場の爆破)に行く人には乾パン一袋が支給されたそうです。
空腹に耐えかねた兵隊さんは、斬り込みを志願し、二度と帰らぬ人となりました。
乾パン一袋に自分の命をかける、、、。
なんて非情なことでしょう。
残念ながら、今でも中東やアフリカでは戦争や飢餓で生死の線上をさまよっている人が沢山います。
「散る桜残る桜も散る桜」(良寛)
今日生き延びても、明日この身は保証されない、特攻隊員の方々がしきりに口にした句だそうです。
自分たちがとても恵まれた生活が送れる礎には、戦争による多くの犠牲があったことをいつまでも忘れないようにしたいと思います。
先人達の命がけの努力、苦労の積み重ねがあったからこそ、今があるわけです。
先ほどの句は今日限りの命「一日一生」とも読めます。そういう覚悟で一日を感謝して生きたいと思います。
自分が空しく過ごした今日という日は、
あれほど望んでも迎えることが出来なかった人たちの
明日なのだから。
お盆には無数のご先祖様に、心から感謝の気持ちを捧げたいと思います。